第4回ベルギー王国ビール探訪記(6)

2日目(3)
4.グローテ・ヴィッテ・アレンド De Groote Witte Arend
5.シェ・ムーデル・ランビック

 グローテ・ヴィッテ・アレンド De Groote Witte Arend

ペルグロム Pelgrom 樽のアップ写真

 ノートルダム大聖堂をあとにした我々は、まだ訪れていないビア・カフェに行くべく、街を歩く。

◆ペルグロム Pelgrom

 川崎代官と清水夫妻は、アントワープは初めてなので、第1回ベルギー王国ビール探訪記で紹介した店、ペルグロムの前を通る。屋根からビール樽がぶら下がっている様子を見学する。中世、建物の敷地面積で課税していたため、市民は、なるべく面積を減らすべく上に伸びた細長い建物を建てた。階段が狭いく、上の階にビ−ル樽を運べなかっため、屋根に滑車を付け、ビール樽を表から引き上げたという。空中に扉があるのはビール樽を中へ入れるため。
 店自体は地下の防空壕跡にある。

◆ヴァガント De Vagant

 この店は、第2回ベルギー王国ビール探訪記で紹介したジェネヴァー専門の酒屋。向かいにはジェネヴァー専門のカフェがある。たまにはジェネヴァーをお土産にしてもいいと思うのだが、今後のビール購入予定を考えると、今荷物を増やすことはちょっとやめた方が良いということで、今回もジェネヴァーを購入しなかった。

De Vagant:店内にはジェネヴァーの種類がとてつもなくある。

◆グローテ・ヴィッテ・アレンド De Groote Witte Arend

 DE VAGANTの向かいに、有名なビアカフェ、グローテ・ヴィッテ・アレンドがあったので、ついつい入ってしまった。店の名前は「大きな白鷲」の意。中庭を通り、店に入るとすぐカウンターがあるが、1階は満席なので、2階へあがる。
 この店オリジナルのArend Kriek(125BF)はちょうど切れていた。また、珍しいDuvelのグリーンラベル(7.5% 25cl 70BF)も品切れであった。Duvelのグリーンラベルは単にDuvelをろ過したもの考えるのは間違いで、通常品(赤いラベル)はアルコール度数が8.5%なのに対し、グリーンラベルは7.5%で別物である。特定の店にしかない珍しいビールなのだというのに無くて残念である。
 仕方が無いので、樽生ビールをそれぞれ注文する。

  1. Maredsous 8°(90BF) 前日にマレッツの6°樽生を飲んでいるが、それより濃い。フレッシュ。★★★
  2. Steendonk Witbier (100BF) 香味物足りない白ビール。清涼感。★★
  3. De Konink (55BF) さわやか、アントワープの地ビールの基本。★★
  4. Krirek Timmermans (70BF) 酸味ある。甘すぎない。樽生はちょうど良い酸味と甘味のバランスを保っているのはフレッシュだからだろうか。★★。
中庭はクリスマスの飾りつけ(上) 店内は落ち着いた雰囲気(宗教的)
カウンターには7本のビアサーバー(右) Maredsous 8 樽生

 店内にはクラシック音楽が流れ、落ち着いた雰囲気である。宗教曲が流れたのは、この店内に礼拝堂があるためかもしれない。他に弦楽五重奏曲、バッハの無伴奏チェロ組曲第6番など流れていた。
 時間が経ち、ブリュッセルに遅くならない内に戻りたかったので、ビールは各自1杯でやめ、店を出た。
 今回は、残念ながら、クルミナトールには行かれなかった。(日曜定休のため)

【データ】 グローテ・ヴィッテ・アレンド De Groote Witte Arend (Reyndersstraat 18, 2000 Antwerpen)
Tel 03.226.31.90 AM11:00〜水曜休

 シェ・ムーデル・ランビック Chez Moeder Lambic

Chez Moeder Lambic St.Gilles
サン・ギル地区にある。もう1軒あった
イクセル店は無くなってしまった。

 ブリュッセルに戻り、ホテルでちょと休息したあと、早速、なじみのシェ・ムーデル・ランビックへ向かう。プレ・メトロに乗り、オルタ駅で降りると相変わらずそこは工事中であったが、やっと少し整備されたのか近道をして、店に行く。地図を見ることもなく、全く迷わず店に到着。

 店に入ると、店主は我々のことを覚えていて、我々はカウンター前のいつもの席に腰をおろす。早速、メニューが運ばれたが、店主は我々の注文の仕方を覚えているようで、我々が呼ぶまで注文を取りにこない。我々はじっくりメニューを見て、ああだこうだと言いながら、メニュー表を確認してから注文をするのである。ましてや、この店は1000種類を置く店なので、ちょっとやそっとではビールは注文できない。

 まず、メニューの手書きのページを見る。そこには新発売の新しいビールが掲載されているのであるから、まず(その時点では)日本で飲めないビールばかりと思ってよいだろう。そして、樽生のページをチェックする。これらも日本では飲めないビールである。樽生ビールも入れ替えがあるので、一部手書きである。手書きのメニューの場合、判読し難い文字があるのが難点である。
 とりあえず、5人それぞれ目に付いたビールを注文する。

  1. Silly Super 64樽生 -翌日Silly醸造所に行くが、樽生の味はどうか。上面発酵の普通のビール。ブロンド色。軽い。★☆
  2. Delirium Nocturnum -Delirium Tremensの新しいブラウンヴァージョン。新製品。スパイシーな香りと味。★★★
  3. Abbaye du Val-Dieu Bière de Noël -スパイシーな香り。ピリ辛系。キレ。★★☆
  4. Barbãr Winter Bok -Barbãrのクリスマスヴァージョン。ハチミツの香り。ブラウンで味スパイシー。バランス微妙。★★☆
  5. V.D.Bossche Kerstpater -リエコビールで知られるヴァン・デンボッシュ醸造所のビールだが、いまだにこの醸造所のビールは輸入されない。ローストされた香味。泡立ちよい。★★☆

 お昼に相当食べたとはいえ、夕飯を食べていないので、なにか食べようということになった。この店では食事はないが、チーズのよいメニューがある。いろいろ種類があったが、ビールにちなむものがよいだろうということになってLe Petit Bastoghar(Rochefort 8)とExquis Herve Doux(Orval)を注文するがロシュフォールの方はこの日はなかった。オルヴァルのチーズについては、パンとリンゴを煮詰めたジャムが一緒に付いて来て、そうとう甘いジャムと一緒に食べるようである。  

注文を取る店主
ビールについて質問をする客もいて、説明をする
Silly Super64
(50BF)
Delirium Nocturnum
(9% 33cl)
チーズ
Exquis Herve Doux (Orval) 220BF
※リンゴジャムをパンに付けて食べる。
Abbaye du Val-Dieu
Bière de Noël
(7% 33cl)
Barbãr Winter Bok
(8% 33cl)
V.D.Bossche
Kerstpater
(6.5% 25cl)
Gueze Girardin 1882
(5% 75cl 240BF)

段々飲むペースが落ちてきたので、ちょっと気になる大瓶を皆で分けて味わうことにした。大瓶を2本注文する。

  1. Gueze Girardin 1882 75cl -素晴らしいランビックビールのメーカー。黒ラベルはむろ過のものだという。鋭い酸香、レモンのような刺激がたまらない。素晴らしい★★★★
  2. Blanche de Fantôme 75cl -ワロニアのセゾンビールの入手困難なメーカー。ブロンシュは、ファントムが作る新しいビールである。期待したが、今一つの所もある。ビールを注いだグラスによって味わいが異なるのである。最初に注いだグラスは瓶の上の方のビールで透き通っている。香りはよいが味わい不足。レモン水。★☆。しかし、瓶の底の方から注がれた最後のグラスは、ビールが濁り、味わいが増していた。それでも★★☆程度。
Blanche de Fantôme
(4% 75cl 300BF)
注がれたグラスによって味が異なる。
色も異なる。瓶の上と底との違い。
Timmermans
Gueuze Caveau
(5.5% 37.5cl 135BF)
Liefmans Kriek樽生
(90BF)
Kriek F.Boon
Mariage Parfait
(75cl 265BF)

清水夫妻は、このあたりで、もうビールが飲めなくなったということで、先に店を出た。残る3人でさらにビールを飲み進める。追加でランビックビールを注文する。実はメニューには珍しいランビックビールが多数掲載されていたが、一つ一つ注文していくと、それはない。それは醸造所がなくなった。等の理由で、結局あるものを聞いた方が早かった。注文の仕方がマニアックなので、それ相当のビールを探してくれて、あるものとして提示されたのがブーンのマリアージュ・パルフェ・クリークで、それに異存があるはずがない。もう1本グーズ・ケイヴォーはあるかと聞くと、あるということで75clもあるけどということだったが、もうそんなに飲めない旨を伝え37.5clを注文した。さらに、リーフマン・クリークの樽生を注文。

  1. Timmermans Gueuze Caveau -樽味、酸、刺激的。甘くない。★★★★
  2. Kriek F.Boon Mariage Parfait -甘くなく、鋭い酸味がある。樽香味、味わいのバランスがよい。★★★★
  3. Liefmans Kriek樽生 -リーフマンの樽生など日本ではありえない。フレッシュな味わい。★★
飲んだビールの数々

夜も11時を過ぎて、終電の心配も出てきた。今日はこの位にして、店を出た。
ベルギー2日目で35種類のビールを味わったことになる。目標の100種類は、今年は結構たやすいようにも思えてきた。

【データ】 Chez Moeder Lambic St.Gilles (Rue Savoie 68)
Tel 02.539.14.19 PM4:00〜AM4:00

2日目(2) 3日目(1)


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