第4回ベルギー王国ビール探訪記(5)

2日目(2)
3.アントワープ散策
4.地ビール醸造所 ’T PAKHUIS
5.ノートルダム大聖堂

 アントワープ散策

アントワープ駅(工事中) 市庁舎とブラボーの噴水

 ブリュッセル・ミディ駅から30分程度でアントワープに到着する。アントワープ駅は、1997年に来た時も工事中であったが、いまだに工事中。地下にもホームを建設するようである。国の重要文化財なので、外観を損ねないように注意深く工事がされているようである。

 この日は本当によく晴れて青空である。以前来たときに、ノートルダム大聖堂のてっぺんが霧で見えないほど天気が悪く寒い日があったことを思い出す。

 今回は、ちょっと楽をしようとアントワープ駅からプレ・メトロでノートルダム大聖堂のある広場まで一気に行ってしまう。プレメトロの駅(Groen pl.)を地上に出るとすぐノートルダム大聖堂が見えて来る。日曜日なので、午前中はミザが行われ、観光客は入館できない。拝観時間が来るまで教会の前の広場を一回りする。大聖堂の教会前のグローテ・マルクト広場に面するアントワープ市庁舎やブラボーの噴水は有名である。

 クリスマスは終わっているが、1月の半ばまで新年とクリスマスを両方祝っているので、広場にはいつもどおりキリスト降誕の物語の風景を人形で展示してあったが、今年はネロとパトラッシュの人形があらたに加わっていた。やっとアントワープでも「フランダースの犬」の物語が知られ、定着してきたのであろうが、ネロとパトラッシュのイメージが私のイメージと異なりおかしかった。やはり日本人にはTVアニメのイージが強烈なのである。

ノートルダム大聖堂そばにあるビアカフェ、パータス・ヴァーチェPaters Vaetjeの場所を再確認し、平成9年に訪れた際行くことができなかった新しい地ビール醸造所’T PAKHUIS に向かう。
 途中、カフェ・ヒューガルデンのアントワープ店の前を通り、スヘルデ川に出る。’T PAKHUISは川沿いに南に相当歩いた場所にあるようである。

パータス・ヴァーチェPaters Vaetje カフェ・ヒューガルデンのアントワープ店 キリスト降誕(左)、ネロとパトラッシュ(右)

日曜日には、あちこちの広場で蚤の市が立つ。途中St.Jandsviliet(広場)では、エキゾチック市という蚤の市をやっていた。ゆっくりと見ることは出来なかったが、ここでちょっとしたし物をお土産に購入。 

St.Jandsvilietのエキゾチック市
黒い帽子とひげの人たちはダイヤモンド関連のユダヤ人と思われる。 ビールグラスも1個50〜60BFで売っていた。

地ビール醸造所 ’T PAKHUIS

通りからではわからない 中庭に入って醸造所だとわかる。

 ’T PAKHUISの住所はVlaamse Kaai 76ということだけはわかっていたが、このVlaamse Kaaiという場所はやたら広い場所で、76番地を見つけるのに苦労した。76番は、大聖堂から最も遠い場所である。さらに、たどり着くと目立たないネオンによる看板を見つけたが、入り口がよくわからない。

 隣の建物の扉かとも思ったが違う。ネオンの下をくぐってなかに入ると中庭になっている。そこで醸造釜を見つけ、間違いなく醸造所だと確認した。しかし、この醸造レストランにしても、何の看板もでていない。中はなんとなく暗くやっているのかさえ、外からではわからない。扉を開け、やっているのか尋ねると営業中であるという。
 中に入るが、日曜日の昼間ということもあるのか、客がほとんど入っていない。ここに来るまで、通りを歩いていてもほとんど人を見なかった。随分すごい場所にオープンしたものである。

 この醸造所は1996年8月にオープンした新しい醸造所である。年産1200hl。PAKHUISとはオランダ語で倉庫の意である。瓶詰ラインがないので、瓶ビールはないが、通い瓶でのビールの持ち帰りは可能である。日本の地ビール醸造所みたいで、ちょっとベルギーでは珍しいタイプの形態であるが、こうした醸造所がベルギーにも増えつつあることは確かである。醸造設備は小型で、MEURA社の設備である。MEURA社はこうした小型の醸造設備も取扱うようで、前に訪れたナミュールの設備もMEURA社のものであった。
 醸造釜は赤銅色をした銅製のもので、上段に仕込み釜、下段に煮沸釜が据えられている。この段差のある配置が伝統的スタイルといえる。入り口に配されているのはこの醸造釜のみで、貯蔵タンクは客席の一番奥のほうにガラス越しにみることができる。地下への階段途中にも器具があるが、作業は基本的に地下で行われているようである。

醸造釜 地下から1階に吹き抜けの貯蔵タンク
各種の器具(みんなMEURA社のもの) カウンターのサーバーからビールを注ぐ
通い瓶にビールを詰める器具 醸造者と記念写真
冷蔵庫には通い瓶(1L、2L)が入っている。
マスタードなどのお土産もある。

さて、席につくと早速ビールを注文する。また、ちょうどお昼なので、料理も一緒に注文する。ビールはメニューに3種類あるので、順番に注文し、各自3杯飲むことになった。3杯飲むと結構酔いが回るので、メニューにない2000年記念のビールの話題を店員さんとしていたら、1杯無料でご馳走になった。これでこのときこの醸造所が醸造している4種類のビールを味わうことが出来たのである。

  1. Antwerp Blond (5.1% 55BF) さわやかな香り、コリアンダーが入っているようで、ヴァイツェン風味のビール。★★☆
  2. Antwerp Bruin (5.5% 60BF) Bruinということであるがアンバーエール。アントワープの代表的地ビールであるキューベ・デ・コーニンクを強く意識した作りのようで、よく似ている。★★
  3. Nen Bangelijke (9.5% 90BF) Bangelijkeとは臆病者の意。一般的にはトリプルに分類されそう。香りが高く、苦味も強い。★★★
  4. De Turbo 2000 (10% 85BF) 2000年記念のピール。アルコール高い。濃い味わい。キレイな作り。★★★

 料理にもビールを使用したものが多くあり、ビールとマッチして、大変満足。量も多く、これからまたノートルダム大聖堂まで戻り、1日を行動するには十分な栄養を取った感じである。
 最後に、この店の特製マスタードをお土産に購入し、店をあとにした。

Antwerp Blond
(5.1% 55BF)
Antwerp Bruin
(5.5% 60BF)
Nen Bangelijke
(9.5% 90BF)
De Turbo 2000
(10% 85BF)
◆味わった料理◆
Blonde Biersoep
Konijin met Antwerp Bruin
ウサギのブラウンビール煮込み
Stoofvees met Antwerp Bruin
ブラウンビールのシチュー
【データ】 'T Pakhuis (Vlaamse Kaai 76, 2000 Antwerpen)
Tel.03/238.12.40 Fax.03/238.68.14

 ノートルダム大聖堂

ノートルダム大聖堂 内部

 ノートルダム大聖堂にはこれで、3回来たことになる。何回来ても、思い出すのはアニメの「フランダースの犬」である。両側に掛けられたルーベンスの2大作にはやはり感動させられる。
 まだクリスマスの雰囲気で、明かりを灯したクリスマスツリーが教会内に設置されていた。

 川崎代官と清水夫妻は初めての場所なのでゆっくり建物内を見学する。
 ここで再度、旅の無事を祈願して、再び街中のビア・カフェに向かった。

キリストの昇架 キリストの降架 ドーム天井の絵
アニメでは、ネロが死んだあとここから天使たちが舞い降りてくる。
ノートルダム大聖堂の出口付近にあるステンドグラス
「パトラッシュはネロのたった一人の友達でした。」
と日本語で書いてある。

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