Falstaff (ファルスタッフ)
ブリュッセルに戻ってきたのは、午後8時くらい。解散。ホテルの部屋には飲むべきビールも無いし、私(奉行)、与力、代官の3人でグランプラス方面に食事に出かける。
グランプラスは相変わらずライトアップされていて美しい。食事はここからすぐの証券取引所(Bourseブーズ)の裏にあるファルスタッフFalstaffに入ることにした。1903年からある店で、この店の前面の装飾はアールデコ調、内部はアールヌーヴォー調。設計は設計はE.オービオンという建築的にも有名な店となっている。訪れるのは私は2回目だが、他の二人は初めてである。
アールデコの扉を開けて店に入ると、たくさんのお客さんで賑わっていた。このカフェは観光地の中心に位置する有名店なので、料理はベルギー各地の名物料理をメニューに加えている。私は今回まだ食していないバケツ一杯のムール貝を食べることにした。白ワイン蒸しとか数種類あるムール貝料理のうちMoules
Falstaffを選んだ。たまねぎ、にんじん、セロリがみじん切りで入っていて、ソースはクリームソース的・・・ワーテルズイのスープである。ムール貝の個数は全部を食べきるのは大変な多さであるが、白ワイン蒸しならあっさりしていて食べきれるが、このクリームシチューになると、味が濃いせいかボリュームが増す。その分、食べる速度が遅くなり、早めにお腹がいっぱいになる。付け合せのフリッツ(これも多い)を食べきることはちょっとできない。
他の二人はそれぞれ鴨料理とブイヤベースを選んだ。ブイヤベースはお皿から溢れんばかりの多さである。
ビールは、相変わらずの品揃えて、樽生5種類(ジュピラー、ヒューガルデン、クリーク、レフ・ブロンド、レフ・ブリューン)と瓶ビール15種類の合わせて20種類である。私はメニューにBon
Secours Blondeを見つけ注文する。8%あるので、トリプルみたいなブロンドであるがスパイシーさが弱いところがブロンドたる味わい。★★★☆。他の2人は、ヒューガルデン生とベルビュー・クリーク生を注文する。
ビールメニュー |
|
Bon Secours Blonde
(8% 33cl) |
|
お腹が十分に一杯になり、これから夜のビア・カフェを本格的に堪能しようと、店を出た。
Le Bier Circus (ビア・サーカス)
もう夜の10時を回って、大分夜も遅くなってきた。ホテルに歩いて帰ることができるビア・カフェということでビア・サーカスに行くことに決定した。地下鉄でマドゥ駅まで行きそこから歩く。
ビア・サーカスは何回か訪れた奉行所推奨のビア・カフェである。今回行くと、ビールの品揃えは200種類ということで以前よりも品数を減らしていたが、それでもブリュッセル中心部では一番の品揃えの店であることには変わりがない。
店に入り、早速席についてメニューを見る。飲んだことがないビールが目白押し。あれも飲みたい!、これも飲みたい!との話が3人で続き、なかなか決まらない。樽生は、メニューには4種類(Bel
Pils、Blanche de Steendonk、Chouffe、Maredosous 6)が掲載されている。
Kameleon Tripel
(8.5% 33cl) |
|
Kameleon Amber
(6% 33cl) |
奉行と与力は、Den Hopperd醸造所のカメレオンKameleonという銘柄のビールを注文した。メニューにはトリペルとアンバーがあった。この醸造所は、1996年設立のマイクロブルワリー。年産300hlという小さな醸造所である。ビールはすべてオーガニックビールで良心的造り。Tim
Webの本でも高い評価を受けている醸造所なので、ぜひ飲んでみたいビールであった。カメレオンとは変わった名と思っていたが、ビールが出てきてびっくり。カメレオンの絵のグラスである。このデザインはちょっと・・・と思いながらビールを味わう。
トリプルはブロンド色で、その味わいは、かなりスパイシーで、ボリューム感がある。ほんのり甘味があり、香り高いビールであった★★★★。アンバーもやや明るい茶色でペールに近いが、味わい豊かで美味しい★★★★。
Chouffe生(Dorée)
(8% 25cl) |
|
天井から吊り下げられた黒板
(デュポンIII生とシメイ・トリプル生) |
代官は樽生ビールから選んだ。Chouffe生(Dorée)はLa Chouffeの生で、非常に美味しい。
最初、メニューの冊子の厚さに戸惑っていた我々だったが、1杯味わいながらじっくり店内を見回すと、天井から黒板がぶら下がっているに気が付いた。その一つに足る生ビールが掲載されており、Avec
les Bons Vouex de la Brasserie Dupon(デュポンIII・Dupon III)の樽生とシメイ・トリプルChimay
Triple樽生の名を見つけた。どちらも樽生の存在を聞いていないビールである。これにはさらに驚いた。もうこのビールを飲むしかないと信じ込み、まず、シメイ・トリプル樽生を店主に3杯注文する。と・・・ところがである。「ごめんなさい。15分前に無くなってしまったので、ダメ。」と言われてしまった。非常に残念がっている我々を見たからだろうか、「樽を交換するから、いくつ欲しい?3つ?少し待って欲しい。最後の樽なんだ。」と言って、地下にある樽を交換に行った。
ほどなく戻ってきて、サーバーからシメイ・トリプル樽生をグラスに注ぎ始めた。
テーブルに供されたビールは、透き通っている。一口すする。味わいすっきりフレッシュ。そして、口中に味わいが広がる。旨い!!!。今回、最大の収穫のビールの一つ★★★★。
ぜひ、日本にも輸入されて欲しいビールである。トラピストの樽生は現在、ウエストマレ・ダブルの樽とシメイ・トリプルの樽の2種類しか存在しない。
Chateau Ramegnies-Chin (12% 33cl)
Brouwerij Facon |
|
Avec les Bons Vouex de la Brasserie Dupon
(デュポンIII・Dupon III)の樽生 |
シメイがあまりにスムーズに飲めてしまったので、私はさらに別なビールを注文する。Facon醸造所のビールで、Chateau
Ramegnies-Chinという銘柄。トゥルネイにあるシャトー・レストラン用のビール。アルコール度数が12%と非常に高い。専用グラスがなかったのか、同じシャトービールであるカステール・ビールのグラスで出てきた。
カステール・ビールのグラスなので味わいも同じようなビールかと思うと、まず酸味がツーンと来る。甘味はほとんどない。デュシュス・ド・ブルゴーニュのようなレッド・ビールの味わいがする。バーレイ・ワイン。コクはある。初めは変わったビールと感じたが、飲み終わるころには、このビールの凄さがわかった★★★★。
最後にみんなでもう1杯づつということで、もう一つの樽生ビールである Avec
les Bons Vouex de la Brasserie Dupon(デュポンIII・Dupon III)を3杯注文する。店主は今度は"No
Problem.”と言ってビールを注ぎに行った。これも香味とも優れたビールで日本でも飲みなれたビールなのだが、アルコールが9.5%もあるのにそれを感じさせない。スパイシーさが瓶と異なる。このビールも今回最大の収穫のビールの一つである。
もう夜中の12時を過ぎたようである。ホテルまで歩いて帰る。
ホテルにて
ホテルに着いた。寝酒はホテル近くのドラッグストアで購入したパルム・スペシャルである。ドラッグストアには他に目ぼしいビールがなかった。昼のレストランで飲んだパルムよりも雑味感があり、フレッシュ感が欠けている★。夜中の2時、就寝。
Palm Speciale
5.2% 25cl |
|