第6回ベルギー王国ビール探訪記(4)

2日目(2)
4..DE RARE VOS(ドゥ・ラール・ボス)

 DE RARE VOS ドゥ・ラール・ボス


DE RARE VOS
 ベルギー2日目の夜のスケジュールは、ウエルカム・パーティということだが、今回はちょっと趣向が凝らしてある。このパーティには我々が今回の旅行でこれから訪れようとしている醸造所や訪問先の方々、そして山田さんがベルギーでジャズ演奏をしていた頃の仲間の方々等々をご招待してあって、大人数なパーティである。

 夜、Schepdaalの町の中心の広場に面するDE RARE VOS ドゥ・ラール・ボスに到着。このレストランを訪れるのは3回目だが、夜来るのは始めてである。昼間の雰囲気とは違って、入り口に近いフロアーのカフェも賑やかである。我々はそこを通り抜け、一番奥のパーティ会場に進む。
 やがて、ご招待のお客さん方が続々と到着。
 山田さんの挨拶のあと、パーティが始まり参加者の紹介が続く。ボステールス醸造所のIvo BosteelsさんとAntoine Bosteelsさん親子、ベルギーチコリの輸出会社のGriet De Schouwerグリート・デスカウエルさんには、明日以降大いにお世話になることになっている。グリートさんは日本語も達者である。"Smakelijk”(スマーカレク=いただきます)。

ジャズの演奏
 ビールや料理もでた頃、山田さんは昔のジャズ仲間と一緒に演奏を始めた。もう引退された方もいるようで、旧友と演奏するその姿は本当に楽しそうであった。我々もまた、ジャズの生演奏をBGMにして美味しい料理とビールをいただき楽しいひと時を過ごした。

ビールのメニュー
 さて、ラール・ヴォスのメニューには、樽生が3種類。RARE VOS、JUPILER、KRIEKの3種類である。その他に瓶ビールが20種類程度ある。"KARMELIET”も載っていたが、ボステールスさんたちは気づかなかったのか、KARMELIETを飲んでいなかったようである。

ジラルダン・クリーク樽生をピッチャーに注ぐ

ジラルダンのプラスチック樽(ファロ)

LAMBIK (Giradin)

ジラルダン・クリーク樽生

RARE VOS (ジラルダンのファロ)

ジラルダン・グーズ黒ラベル
 初めに飲んだのは、LAMBIKでジラルダンGirardinのもの。できたてランビックの味で、酸味がほとんど感じられず苦味がかなりきつい状態。ビールは濁っており、イーストの香味がする。できてから6〜8週間たったものだそうである。★★★。
 次は、KRIEK(BIEREN VAN HET VAT GIRARDIN)である。ジラルダンのクリーク樽生。これは甘味がなく酸味が果実味とバランスよく出来ている。澱は無いようである。チェリーの果皮の色が十分抽出された感じで濃い色をしている。以前飲んだジラルダン・クリークはベルギー産チェリーが不作でポーランド産のチェリーを使用したもので甘味と腐ったような香りがあって好きになれなかったが、今回のクリークの味わいは最高である。★★★★。
 3番目はRARE VOS。前回私はこのRARE VOSについて、「聞くとこれはジラルダンに特別に作ってもらっているグーズだという。泡立ちよく発泡感もある。酸味はあまりきつくなくちょっと甘味も感じてジラルダンのグーズらしくない。色も随分付いている。ファロかと思ってしまう。あまりに不思議でさらに問うと、樽の底に溜まったグーズを集めたものだという。レア物には違いない。」と書いたが、今回聞くと説明が異なっていて、De Rare Vos 用のジラルダン特製ファロであって、他では飲めないものだという。味と色からすると今回の説明の方が理にかなっている。色はキャンディシュガーの色がついてやや茶がかっていたわけである。前回飲んだものより発酵が進んでいるのか甘味はあまり感じられずキャンディシュガーの糖分以外の成分を感じる。★★★。
 最後にいただいたのは、Gueuze。これはGirardinの黒ラベル750mlのものである。無ろ過でグーズらしい泡立ちがある。バランスが取れていて美味しい。★★★★。

アルマンさんとラール・ヴォスのご主人

アントワーヌ・ボステールスさんとアルマンさん
 さて、パーティが始まって1時間ほどたった頃、突然ドリー・フォンティネンのアルマンさんが会場に姿をあらわした。アルマンさんは家族で食事をしに来たようで、カウンターのある入り口近くのフロアーに席を設けていたが、奥でパーティをやっていることを聞きつけて顔を出したのだという。ラール・ヴォスのご主人とは友人だということである。会場では、アントワーヌ・ボステールスさんとビール談義をしていたようであるが、ランビックの巨匠とスペシャルビールの造り手とでどういう話題で話をしていたのか興味あるところ。この組み合わせは意外だったが、狭いベルギーの国土を実感する場面である。

牛肉のカーボナード

いわしの酢漬け

うさぎのランビック煮

ニシンの燻製

ブーダン・ノワールとトン足

デザート:ライスプリン

パンとラード

付け合せはフリッツ
 時も過ぎ、お別れの時間が迫ってきた。ボステールスさんは、後日訪れる予定のボステールス醸造所において、来訪時に特別のビールを出すとの約束をしてくれた。特別のビールというは多分"Deus”(デウス)のことだろう。非常に楽しみ。また、2日後の1月14日に来訪予定のスカルウエルさんは「待っています。」と達者な日本語で言ってくれた。
 パーティが終了して店を出ると、皆車で来ていて店の前に止めていた。別れを告げ、我々もブリュッセルのホテルに戻る。

【データ】 In de Rare vos Marktplaats 22 Schepdaal
Tel:tel.: +32 (0)2 569 20 86
※過去2回訪問 (1) (2)

2日目(1) 3日目(1)

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