第6回ベルギー王国ビール探訪記(19)

7日目(5)
7. Het Streekproductencentrum 
8. ホテルの部屋にて
9. Belga Queen ベルガ・クイーン
10. ホテルの部屋にて

  Het Streekproductencentrum 

 ボーンで見たレア物ビールを購入することなくボーン醸造所をあとにしたが、明日、日本に帰国する身としてはすでに十分なくらいビールを購入していた。
 ブリュッセルに戻る途中、ハレHalleの町で、町の物産館Het Streekproductencentrum(地場産物センター)に寄る。ビール売り場を見るとビックリ。ランビックビールのレア物がずらり並んでいる。
 「モリオーがある〜」「ベルビューのセレクション・ランビックがある〜」「デ・トロックのキュベがある。」「キュベ・ルネの大瓶がある。」「モール・シュビトのフォンド・グーズがある。それも大瓶もある〜。」「デ・カムもある」。ボーンのマリアージュ・パルフェやドリー・フォンテイネン、オッド・ベールセル、ハンセンスもあるがこれにはもう驚かない。
 甘味をつけたランビックはほとんどなく、伝統的な酸味の強いランビックだけを扱っている。さすがランビックの故郷の一つハレの町の物産館である。ランビック以外にはほんの数種のバイオ・ビールを扱う程度である。
 あれも欲しい、これも欲しいで、皆さん棚からビールを取りカゴ一杯にしてレジへ向う。瞬く間に棚からビールが無くなっていった。あまり時間がないということで短時間の滞在と決めていたので、その購入の勢いというものは驚くばかり。店の人は普段売れない商品がほんの10分くらいで売れたのだから大喜び。
 店のご主人は我々のマイクロバスが出発する際には、店から出てきて見送ってくれた。
【データ】 STREEKPRODUCTENCENTRUM Poststraat 3a, 1500 HALLE
Tel.02/361.31.90 Fax.02/356.86.15
http://www.streekproductencentrum.be/

 ホテルの部屋にて

 ブリュッセルに戻る。ここで、1週間我々とともにマイクロバスで醸造所を巡ってくれたヤンさんとはお別れ。当初ビールに詳しくなかったヤンさんだったが、我々と巡るようになってからビールに詳しくなり、醸造所ではビール造りに関してツボを得た質問したりで、我々を驚かせてくれた。再びベルギーを訪れる時は、またヤンさんのお世話になるであろう。
 部屋で一休み。
 今晩は初日に予約していたベルガ・クイーンで食事である。ベルギー在住のヴァージナル奏者である堀江さやか嬢も今晩は我々と一緒に食事をする予定である。
 この日購入してきたビールを整理する。日本に持ち帰る限度を越えている。なんとか減らそうと、Temmermans Kriek 33cl缶をちょっと味わってみた。ベルビュー・クリークの缶ビールは日本にも輸入されているが、他にも缶ビールの種類が意外とある。このビールは瓶同様甘味を付けたクリークで、フレッシュで飲みやすい。缶ビール特有のちょっとアルミの金属感が不快ではある。ベルギーではこれが1.5ユーロで販売されていた。★★☆

Temmermans Kriek

 Belga Queen ベルガ・クイーン

 ホテルのロビー集合。ここで、1年ぶりに堀江さやか嬢と再会。ベルガ・クイーンに向けて出発。モネ劇場から50メートルほどの場所である。
 ベルガ・クイーンは、2002年3月27日にオープンしたベルギーで今最もトレンディなレストランということである。入り口を入ると左手にはオイスターバー。右手はビアカフェとしてのカウンターとなっている。カウンター脇の冷蔵庫にはボーンのランビックビールを中心として各種並んでいる。
 メインのレストランは高い天井と装飾された柱で宮殿のようである。もともとここは、フランスの銀行が入っていた建物を改造したものだというからなるほどである。
 まず、メニューのビールの部分に目を通す。樽生ビール7種類、瓶ビールは25種類の記載がある。レストランとしても種類が多い方で、ビア・カフェ併設のレストランであること、そしてビール料理があることなどを考えると納得する。ワインも20ユーロ程度の手軽なものから揃えてあり、品揃えも十分で選択に迷いそうである。フレンチのレストランというよりベルギー料理のレストランといった感じである。
 さて、25種類のビールの中から飲んだことの無いビールを探すのは難しいが、その中では、ボーン・グーズの大瓶。メニューにはGrand Cruとの表示があったが、瓶を見ると1997-1998のOud Geuzeである。ボーン・グーズの大瓶は日本には輸入されていないが、酸味もきつくなくバランスの取れた飲みやすいグーズである★★★☆。大手パルムが作るビールとして、「こんなものがあるんだ」と珍しがったのは、スペシャル・パルムのノンフィルター物。度数は軽いが、かなり濁ったビールで旨いコクが感じられる。このタイプのビールはあまり好きなタイプではなかったが、パルム-ベルギー・エールの実力を考えさせられた★★★☆。
 一番美味しいビールを飲もうと注文したびーるは、ボーンのオッド・グーズ・マリアージュ・パルフェである。さすが、素晴らしい香味でグレープフルーツ風味がよい。★★★★。賞味期限は2022.10.16の物。

Geuze Boon
3/4(Grand Cru)

Speciale Palm
Non Filtrée

Oude Geuze Boon
Mariage-Parfait
 料理は、それぞれ自分の好みのものを注文したが、私が居たテーブルでは、初めにシーフードの盛り合わせを注文した。それが出てきてビックリで、シーフードのタワー盛りである。海老、カニ、貝類様々な種類が盛りあわされている。北海の海の生き物を調べる標本のようでもある。生ムール貝、生牡蠣のほか、蛤、海タニシ、ホッキ貝のような貝、ザリガニのようにハサミを持った海老など珍しい生き物を順番に食べる。特に生牡蠣は、丸いブロン種と細長いクルーズ種の2種類を食べ比べることができた。どちらも海のミネラルが感じられたが、日本の海と北海とでは海水のミネラルのバランスが異なるのであろうが、日本の岩牡蠣やマガキとは全くことなる味わいであった。とくにブロン種の方が味が濃い感じがした。
 店が混んでいるせいか、メインの料理がなかなか出てこない。誰がどの料理を注文したかも把握していなかったようで、レストランのサービスには多少不満が残ったが、料理自体は美味しい。
 夜9時ころから、レウトラン内の照明が急に暗くなったかと思うと、ロック調のBGMが流れ出した。私には結構うるさく感じられ、レストランにはそぐわない気がした。
 最後に紹介したいのは、この店のトイレ。このレストランのトイレには皆驚く。「ちょっとあれな〜に?」「はずかし〜い」「どうなっているの?」と連発。ガラス張りのトイレで全部丸見え。でも仕掛けがあるので安心。一度お試しください。

【データ】 Belga Queen Brussels rue Fosse aux Loups 32, 1000 Brussels
Tel. 02/217.21.87 Fax 02/229.31.79
無休 12:00〜14:30、19:00〜24:00
http://www.belgaqueen.be/

 ホテルの部屋にて

 ベルガ・クイーンの後は、明日の帰国に備えてどこにも寄らずホテルに戻る。部屋には持ち帰り不可能な量のビールが待っていた。どう処分するか、迷うことなどない。同室の代官とともに、どんどんビール瓶を開栓していく。
 数えると、翌朝までに16本。荷造りの過程ではじき出されたビールである。
 Beersel Biologiqueは、ドリー・フォンテイネンがDe Proefbrouwerijに造ってもらっているビール。ブロンド色で澱があり、ハーブ、スパイス、フルーティ感がある。まろやかで飲みやすいタイプ★★★。
 Pandreitje 2002は、ブロンドのエールでドライ。スパイシーで香辛料のクミン味がする★★☆。
 De Brugse Bierkaai Blondは、お土産用の3本セットの中身を開けたら、同じBlondが3本入っていたので飲んでしまおうと開栓。色はWitbierのように白い。酸味があり少々出来が悪いと感じてしまう★☆。

Beersel Biologique
(7% 33cl)
De Proefbrouwerij

Pandreitje 2002
(5.7% 33cl)
Brouwerij De Regenboog

De Brugse Bierkaai Blond
(5.5% 33cl)
De Brugse Bierkaai
Ambiorix Dubbelは、ポルト・ノワールの冷蔵庫にあったものを購入しテイクアウトしてきたもの。「アンビオリクス」は、カエサルのガリア戦記に出てくるベルガエ人エブロネース族の酋長の名。紀元前54年にカエサルに対して反乱を起した。ベルギー人のナショナリズムの象徴としてベルギー人には知られている。ちょっと酸味を感じるOud Briun風の味。バランスとコクよし★★★。
Terracottaは、変な味。このビールを造るBrouwerij De Regenboog(レーゲンボーグ醸造所)のビールは、旨いものと酷いものとでバラバラ。美味しいビールもあれば、難しいもののある。色はゴールドで藁や茎といった植物の部位の味する。赤ワインに同じような味を感じるときがある。かなり濁っているビール★★。

Ambiorix Dubbel
(8% 33cl)
Brouwerij Slaghmuylder

Terracotta
(7% 33cl)
Brouwerij De Regenboog
'T Smisje TripelもBrouwerij De Regenboog(レーゲンボーグ醸造所)のもの。澱がある。。トリプルではあるがスパイシーではなくまろやか。チョコレートの風味を感じる★★★☆。
WostyntieもBrouwerij De Regenboog(レーゲンボーグ醸造所)のもの。ブロンドで澱がある。ちょっと酸味があり、スパイシー。★★★。
 ここから先のビールは、本当は日本へ持参したかったが、荷造りしてもどうしても納めることが出来ず、仕方なく順次、栓を開けていく。
Zwyntjeは、美味しいビールを多数製造しているBrouwerij Van Steenbergeのもの。期待を裏切らずスパイシー感のある重厚な味★★★☆。ラベルのピンクのブタの絵がかわいい。

'T Smisje Tripel
(9% 33cl)
Brouwerij De Regenboog

Wostyntie
(7% 33cl)
Brouwerij De Regenboog

Zwyntje
(8% 33cl)
Brouwerij Van Steenberge
Serafijn Blondはやや薄い味わいのブロンド。澱を入れるととたんに旨くなる。かなりの澱が見られる。★★★☆。
Kapel van Viven Blondは、ラベルにはVivenkapelle醸造所の物との記載があるが、De Proefbrouwerijで委託醸造しているビール。ブロンド色でスパイシーさがある。★★★☆。

Serafijn Blond
(6.2% 33cl)
Microbrouwerij Achilles

Kapel van Viven Blond
(6.8% 33cl)
De Proefbrouwerij/Vivenkapelle
Sinpalsken Donkerは、De Cock醸造所との表示があるが、Van Steenberge醸造所で造られている。ローストした麦芽のコク、やや甘味がよい。★★★★。
Sinpalsken Blondは、コリアンダー風味がある。薄くにごり、味わいとコクがある。飲みやすい★★★★。デ・コック醸造所とラベルにはあるが、ヴァン・ステーンベルヘ醸造所で造られているビールのようだ。
Molen Bierは、「風車ビール」の意で、ダムにある風車がモチーフのラベル。ダムのVivenkapelle醸造所の名がラベルにあるが、De Proefbrouwerijで造られているようだ。バナナの香味やリンゴ、洋ナシの香味が芳しい。濁りがあり、ラベルにTarweとの表示もあるのでホワイト・ビールに分類すべきビールである★★★★。

Sinpalsken Donker & Blond
(8.5% 33cl)
Brouwerij Van Steenberge /de Cock

Molen Bier
(6% 33cl)
De Proefbrouwerij/Vivenkapelle
Abdijbier St-Adriaans Blondは舌にピリリと来るスパイシーさがある。にごりのあるブロンド。★★★★。
Gouden Carolus Ambrioは、アンバー、褐色のビールでキレイに澄んでいる。グーデン・カロルス(レギュラー)の味わい共通するmのがあるが、ローストした麦芽の甘味やコクのようなものはない。すっきりアンバータイプ。★★★。
Serafijn Donkerは、バナナの香味が強い。にごり方が半端でなく濃い。セント・ベルナルドス・アブト12のに近い味わい。濃醇で味わいにコクがある。★★★★。

Abdijbier St-Adriaans Blond
(6.5% 33cl)
Brouwerij Van Steenberge

Gouden Carolus Ambrio
(6.5% 33cl)
brouwerij Het Ankrer

Serafijn Donker
(8.0% 33cl)
Microbrouwerij Achilles
以上16本のビールを味わったが、最後の方では夜が明けてきた。荷造りもなんとか終わった。

7日目(4) 8日目

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