第6回ベルギー王国ビール探訪記(14)

6日目(3)
7.La Porte Niore ポルト・ノワール
8.ホテルの部屋にて

 La Porte Niore ポルト・ノワール

 ホテルに戻った我々は、初日の夜遅く場所を確認しておいたLa Porte Noireポルト・ノワールに皆で行くことにした。ここは門司さんも推奨の店ということで、ビールも100種類くらいあり、期待できる。
 La Porte Noireとは、「黒い扉」の意で、店の入り口には黒い玄関の扉があるが、この扉は飾りで、本当の入り口はすぐ左の通路を奥に行き、階段で地下に降りる。カフェが入っている建物はブリュッセルでも古い建物であり、随分と補修されていてる。地下に下りると、そこは第2次世界大戦時の防空壕である。アントワープのペルグロム Pelgromというカフェが、やはり防空壕を利用したカフェであったのを思い出した。
 防空壕の部屋がいくつか繋がって、広い空間のカフェとなっている。ビールが置いてある冷蔵庫が階段を下りてすぐのところにあったので、ビール瓶を見て注文することが出来そう。我々が行った時は、夜遅い時間ではあったが、手前の席は一杯で、誰もいない奥の方の部屋の席にに決める。奥の部屋には照明を点けておらず暗い。蝋燭のあかりが頼りである。さらに一番奥の部屋にも灯りを灯しておらず、実はその奥にトイレがあって、暗くて不便なものであった。
 店内のテーブルは全て長テーブルで、テーブルの上にはビールの大瓶が立てられており、その口ににローソクが取り付けられ、火が灯されている。

 さて、メニューを見ると、確かに100種類くらいはありそうである。また、100種類といっても、レア物はないにしろ、珍しいビールも含まれて、ちょっと興奮気味。
 樽生は10種類。セント・ベルナルドス・アブト12 St.Bernardus Abtの樽生やグーデン・カロルス・トリプルGouden Kalorus(Calorus) Tripleの樽生、ボーネン・トリプルBornem Triple樽生などは、ちょっと他のカフェでは見かけないないものである。
 我々は、やはりこれらの珍しい樽生ビールを注文することになった。
 

Gouden Calorus Triple 樽生
Boon Kriek 樽生

Gouden Calorus Triple 樽生
Bornem Triple 樽生

St.Bernardus Abt12 樽生

Quintine Blond
(8% 33cl)

Guldenberg
(8.5% 33cl)

(未撮影)





Barbar 樽生

Guinnessの生を頼んだ者もいる。クリーミイでよろしい★★★。La Chouffe樽生は、今回初めてではないが、状態がよくスパイシー★★★☆。Gouden Calorus Triple 樽生は、芳醇な味わいがあり、スパイシーな香りもよい★★★☆。Boon Kriek 樽生はフレッシュである★★★★。Bornem Triple 樽生もトリプルらしくスパイシーでコクがある★★★★。St.Bernardus Abt12 樽生は、バナナのようなこの醸造所特有の芳しさがあって、また、味わいにも深みとスパイシーさがありよし★★★★。Barbar 樽生は、日本酒の吟醸酒のような香りがあり素晴らしい★★★。樽生ビールはどれも非常に美味しく感じられた。
 Quintine Blondは、苦味が特徴でバランスよし★★★★。Guldenbergは、De Ranke醸造所のもので味わいがある。★★★★。
夜の11時を過ぎ、かなり遅い時間になったので、店を出ることに。出るときに、冷蔵庫の中をじっくり見ると、見たことのないラベルのビールがあったので、1本持ち帰り用として購入して店をでた。
ポルト・ノワールを出ると、門司さんが携帯電話でタクシーを呼んでくれた。だが、たまたま居たタクシーと、あとから着いた呼び出したタクシーとでどれに乗ればよいのかちょっと路上で混乱したが、無事我々はホテルに向かい、解散した。
【データ】 La Porte Noire 67 Cellebroersstraat / rue des Alexiens 67,1000 Bruxelles
Tel.: 32-2-511.78.37 / Fax: 32-2-534.45.36

ホテルの部屋にて

残るスケジュールはあと2日。明後日は日本に帰る日。ここまでで飲んだビールの種類は83種類。ベルギービールだけだと78種類。あと2日で100種類を達成させるべく、ホテルの部屋で、同室の代官とさらにビールを重ねる。100種類達成のためと、すでに購入したお土産ビールが多すぎて、日本に持ち帰れない状況になっていたからである。

Babbelaar Blond
(6.5% 33cl)

Lete Bokbier
(7.5% 33cl)

Artevelde
(5.7% 25cl)

Loteling Blond
(8.5% 33cl)

Loteling Brune
(9% 33cl)

Pilaarbijter
(7.5% 33cl)

Grottenbier Bruin
(6.5% 33cl)

Guido
(8% 33cl)
Babbelaar Blondは、ブルージュのビア・ハレスでいただいてきたもの。De Proefbrouwerijのもので、ビア・パレスのご主人の弟さんがプロデュースしているということは先にも書いた。珍しいビールがあるとProef醸造所かVan Steenberge醸造所のどちらかというくらい両醸造所の委託製造の銘柄は多い。Babbelaarは、ラベル一面に「bla」「bla」の文字もあり、「ばぁ〜」「ばぁ〜」ということか。「うまく口で言えない」、赤ちゃんの「バブバブバブ」みたいな意味らしい。スパイシーなブロンド★★★★。Lete Bokbierは、グラスとセットで購入したもの。このグラスは多分、パウエル・クワックのグラスと双璧をなす珍グラスであろう。クワックは、用途上の形状であったが、このグラスも底が丸く、置くことができない。ただし、専用の台があり、丸くくり貫かれてグラスを立てられるようになっている。日本酒の可杯(べく杯)に通じるものを感じる。可杯(べく杯)は普通の盃と違い、飲み干してしまうまでは下に置くことができない。これはVan Stennberge醸造所のビールで、ブラウン色。ちょっと酸味がアクセント程度に感じる★★★。Arteveldeは、Huyghe醸造所のもの。ペールエールらしいスパイシーさがある透き通った褐色のビール。味わいはある方である★★☆。Loteling Blondも、Huyghe醸造所のもの。Loteling銘柄は、いくつかの醸造所を経て今Huyghe醸造所で造っているようである。今後変わる可能性もある。ラベルにBrewed According the Ancient Abbey Recipiesとあり、修道院レシピによる醸造であることをうたっている。泡立ちよく、クリーミィ。コリアンダー味もあってスパイシ−。★★★。Loteling Bruneは、やや酸味があるストロング・ブラウンエール★★★。PilaarbijterはBavik醸造所の新しい銘柄。クリアーなブロンドで、シンプルであるが特徴を掴み難い★★☆。
Grottenbier Bruinは、セント・ベルナルドス醸造所のビール。前回ベルギーに訪れた時に初めて見かけた新しいビールであるが、前回はデ・スメット醸造所で造っていた。このビールはヒューガルデン・ホワイトの復活者であるピエール・セリスがベルギーに帰ってきてプロデュースしたビール。醸造後、洞窟で熟成させているビール。香りはセント・ベルナルドス醸造所の酵母特有のバナナ香があり、6.5%の度数以上のコクを感じる素晴らしいビール★★★★。Guidoは、ブリュージュの詩人Guido Gezelle(1830-99)にちなんだビール。ブルージュのDe Regenboog醸造所で造られている。ブラウン色で麦芽のコクを強く感じる甘いビール。バーレイ・ワイン風★★★☆。
 以上、8種類のビールを、一晩中、飲んでは寝て、また起きては飲んで、酔っては寝て、起きては飲んでを2人で繰り返した。代官は途中で起きなくなった。
 大分在庫が減ってきたが、翌日は本命のランビック巡り。

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