第5回ベルギー王国ビール探訪記(8)

4日目(2) 自由行動の日(ゲント)
5. Trollekelder トロルケルダー
6. Prélude プレリュード
7. De Dulle Griet デ・デュレ・グリート

 Trollekelder


Trollekelder

De Dulle Griet
  お腹がいっぱいになった我々は、少し散歩。Tim Webbの本を片手にゲントのビアカフェの位置を確認。残念ながら現在の第4版からは地図が削除されていて、実用にならないが、このとき持参した第3版にはおおまかな地図が掲載されていたので、どのあたりまで歩けば、なんというヒビア・カフェがあるいとうこが分かったのである。
 さて、有名なカフェDe Dulle Grietの前まで来たが、この店は最後にしようということで、聖ヤコブ教会の方へ歩いていく。この近くには以前訪れたことがあるビカフェTROLLEKELDERがある。ここは我々のお気に入りなので、再び訪れたいと思っていたが、残念ながら休みであった。
【データ】 TROLLEKELDER
Adres: Bij St-Jacobs 17, 9000 Gent Tel +32 (0)92 23 76 96

Prélude

 Tim Webbの本には聖ヤコブ教会近くにPréludeプレリュードというビアカフェが掲載されていた。ゲントには名店が多い中、つまらないビアカフェに入ってしょうがないと与力が躊躇していたが、思い切って入ってみる。
 BGMが流れていないが、適度な会話で賑わう店で、入って左側の方に席を決める。

BSBの看板(ビアカフェの適マーク)
メニュー
 メニューには樽生ビール4種類。トラピスト・ビールは充実していて、Westvlterenが3種類、Rochefoetも6、8、10の3種類が全て揃っている。ベルギーの瓶ビールは約60種類あり、比較的多い方である。
 それぞれが、メニューからこれぞというビールを注文する。60種類あれば、結構飲んだことの無いビールはいくつかあるものである。
女主人からグラスを受け取る与力(左)と代官(中央)
 ビールは、グラスとボトルをお盆に乗せテーブルまで持ってきて、客の目の前で注ぐ。なかなかみごとな注ぎ方で、注がれたグラスをそれぞれ女主人から受け取る。
 AUGUSTIJNは、明るいブロンドで、味わいはアビイのトリプル。8%ありスパイシーだが、まろやかスムーズに飲める。★★★。ベルギーに来たのだからレア物を試したいところ。WESTVLETEREN BLONDも以前ほど幻ではなくなったが、飲めるときに飲んでおきたいビール。苦味とコクがよい★★★。
 JAN VAN GENT。ヤン・ヴァン・ゲンという鳥が実際この地方に生息し、ゲントの象徴的鳥らしい。アルコール度数5.5%でやや弱い。さわやかなエールである。★★☆。POPERINGS HOMMEL BIERは、ホップ味。やや甘味も感じる。体調で味わいが異なるのかな★★☆。このときは、酸っぱいものの方が好感。FELIX SPECIAL OUDENAARDS、さわやかな酸味がいい★★★☆。質の高いブラウン・エールが日本にも輸入されて欲しい。GENTSE TRIPELは、いい。ゲントにあるホップデュヴェルというビア・カフェのオリジナル・レシピによるビール。ご当地ビール。スパイシーで複雑感があってコクよし。★★★☆。本当は、この日ホップデュヴェルに行ければよかったが、場所がちょっと離れているので、それは無理。1997年第2回ベルギー探訪時の与力の「ホップデュヴェル腹不調事件」を思い出す。
ホップデュヴェル腹不調事件
 1997年の2回目のベルギービール探訪旅行時、まだヨーロッパ2回目の初心者の奉行と旅なれた与力の二人がゲントに訪れた。ゲント旧市街の観光とビア・カフェを巡る。デ・デュレ・グリート De Dulle Griet、トロルケルダーTrollekelder、別の日にヘット・ワーテルハイス・アーン・デ・ビアカントHet Waterhuis aan De Bierkantに行ったが、このあと、ゲントでもっとも有名なホップデュヴェルDe Hopduvelに行こうと奉行が誘うが、与力は体調不良で行きたくないという。奉行は一人でも行きたいと、別行動を申し出た。なら行きましょうと一緒に二人で運河に沿ってホップデュヴェルを探し探し訪ね、やっとのことで行き着く。その玄関口で、与力は、もうだめといって一人で、ブリュッセルに帰っていった。一人置き去りにされた私奉行だけが、ホップデュヴェルに入り、美味しいビールを堪能した。しかし、帰りの方法がよく分わからず、なんとかブリュッセルに戻った。与力は寝ていた。という事件。

AUGUSTIJN
(8% 33cl)
Br Van Steenberge

WESTVLETEREN BLOND

(5.8% 33cl)
Br.Westvleteren

JAN VAN GENT
(5.5% 33cl)
NV Huisbrouwerij Liefmans

POPERINGS HOMMEL BIER
(7.5% 25cl)
Van Eecke NV

FELIX SPECIAL OUDENAARDS
(4.8% 25cl)
Br.Clarysse

GENTSE TRIPEL
(8% 33cl)
Br.Van Steenberge
 最後にラベルを剥がして欲しい旨お願いすると、剥がしたラベルのほか、こんなのもあるといって未使用のラベルやグラスの足受けみたいなものなど、いろいろいただきました。サービス満点で、楽しく時間を過ごせたので、ゲントの名店として我々は登録した。
愛犬家の国ベルギー
ベルギーは人口に対する犬の割合が世界一高いといわれているそうである。だから愛犬家の国として有名らしい。確かに街中でも、ビア・カフェの中でもよく犬と出会う。
 ビア・カフェは、店内に犬の連れ込み自由なのであろう。
 プレリュードでもやはり愛犬と一緒にいるお客を見た。なぜか今までビア・カフェで見た犬は黒い犬ばかり。
 首を紐で繋いでいる犬はよいが、ブルージュのBrugs Beertjeで出会った黒い大きな犬は店内を行ったり来たり。我々のすぐそばに腰掛けた人がご主人だったが、少し怖い。プレリュードでも通路に犬がいるとちょっと通りにくい雰囲気でした。

【データ】 Prélude
Bij St-Jacobs 13, 9000 Gent TEL 09/225 04 04

 De Dulle Griet デ・デュレ・グリート

 プレリュードを出て、いよいよ本命のデ・デュレ・グリートへ。ここは、パウエル・クワックの大きなグラス(MAX)でビールを飲ませてくれるが、それを飲むには、グラスを盗まれないように靴を片方預けなければならないというおとで有名な店。日本のテレビでも何度か取材を受けている店である。しかし、我々ビール愛好家にとっては、ここが250種類以上のビールがあるゲント随一のビアカフェであることを忘れてはならない。
 店の中に入る。中は長いカウンターやテーブル席が。テーブル席のテーブルの一部は樽を利用したもので、樽の上に丸板を接着させたもの。床のせいか樽のせいかテーブルは水平ではなくやや傾いている。我々は樽のテーブルの方に席を置いた。
 回りを見ると壁いっぱいにビールの看板や垂れ幕など取り付けられていたり、古い瓶が飾ってあったり、人形が天井から吊るしてあったりと、見ていて飽きない。ビアカフェの雰囲気に飲み込まれる。
メニュー
 メニューを見ると確かに250種類以上ありそうだ。非常に種類が多いので、メニューはアルファベット順に整理されている。MAXだけは写真入りだ。

LINDEMANS KRIEK 樽生
(4%)
Br.Lindemans

KRIEK van Het Huis
(37.5cl)

MAX van Het Huis 1.2Liter

MAXのグラスが並ぶ

ZULTE
(4.5% 25cl)
Br.Union

STROPKEN
(7% 25cl)
Br.Van Steenberge

VONDEL
(8.5% 33cl)
N.V.RIVA S.A.

PATER LIEVEN BRUIN
(6.5% 25cl)
Br.Van Den Bosshe

St.IDESBALD DUBBEL
(8% 33cl)
Br.Huyghe

WITKAP PATER STIMULO
(6% 33cl)
Br.Slaghmuylder

SEZOENS BLOND
(6% 25cl)
Br.Martens NV

Guillotineのグラス
 MAXのところには、「Shoen Uit !!!」と書かれ、靴を靴を脱がなければならない。MAXは1.2リットル。パウエル・クワックの巨大グラスで飲む。通常の小瓶3倍の量で、値段も350BFで小瓶が平均120BFくらいなので、値段も3倍である。ビールの中身は、「Blond」か「Donker」の2種類から選べるが、銘柄は不明。このときは「Donker」の方を注文している。中身は、レッド〜ブラウン系のやや酸っぱいビール。度数は5%程度に感じる。例えば、Liefmans Oud Bruin(5%)かも知れない。なお、パウエル・クワックではない。
 MAXを注文すると
1.店内に鐘が鳴らされる。(左)
2.天井に吊り下げられていたカゴが下ろされる。片方の靴が入れられる。(中央)
3.カウンターの奥にある紐を引っ張り、カゴは再び天井へ。(右)
 1.2リットルのビールを誰が注文するか。注文した人は、靴を片方取られてしまう。全部飲み干さないと、靴は返してくれない。この勇敢な役割は代官が担うことになった。せっかくゲントまで来たのだから。
 靴がカゴに入れられ天井にぶら下がる。変わりにサンダルを貸してくれる。トイレに行く時は、このサンダルを履いていくのである。1.2リットルのグラスはみんなで協力して飲み干そう。普通はグラスをスタンドからはずしていただくのだろうが、この巨大グラスはちょっと怖い。スタンドごと持ってビールを飲む。このMAXの飲み方が誤って伝えられ、パウエル・クワックの小さなスタンドのグラスですら、木のスタンドから外さないで飲むのが正しいとの誤解を招いたのかもしれない。
 MAX以外に飲んだビールは、LINDEMANS KRIEK 樽生。ちゃんと酸味もあって美味しく飲めた。KRIEK van Het Huisは、この店オリジナルのクリーク。中身は不明である。瓶は寝かせて貯蔵されていたようで、ボトルの脇腹にオリがかなり付着していた。STROPKENは、トリプルの味。これもホップデュヴェルのレシピによるご当地ビール。名前のストロプケンは、絞首刑のための首縄の意味。毎年7月にはゲントで「処罰者の行列Stroppenommegang」という祭りが開催されている。ZULTEは、ちょっとハーブ茶みたいな味。VONDELは、濃い茶色。やや甘いコクがある。かなり冷たい温度で提供★★☆。PATER LIEVEN BRUINはさらりとしたコク★★★。St.IDESBALD DUBBELもかなり冷たい温度。冷たくて美味しいが、ブラウン系のビールが冷たすぎるのはいかがなものか★★★。WITKAP PATER STIMULOは、酸味がある★★。SEZOENS BLONDも冷たい。さらやかでセゾン的なところも感じるが今一つ★★。

 デ・デュリ・グリートは、有名なMAXを飲むというショー的要素もあって、観光用のビア・カフェになっている。ビールを注文してもお願いしないとビール瓶を手元まで持ってきてくれない。1本目のビールを飲み終わっても、注文を取りにきてくれないなどビア・カフェとしてのサービスに劣る。有名店だが名店ではない。

 外は、もう真っ暗。我々は店を出て、再びメトロに乗り、ゲントGent-StPieters駅に向かう。ファン・ダイクの「神秘の子羊」は今回も見る機会が無かった。
【データ】 DE DULLE GRIET
Vrijdagmarkt 50, Gent Tel.: 09/224 24 55

4日目(1) 4日目(3)

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