第5回ベルギー王国ビール探訪記(15)

6日目(3) ランビックの日
4. De Rare Vos ドゥ・ラール・ボス
5. De Cam ドゥ・カム

 De Rare Vos ドゥ・ラール・ボス

 Dworpドゥワープの町からSchepdaalスヘプダールの町に移動する。中心の広場に車を止め、広場に面したDe Rare Vos ドゥ・ラール・ボスというカフェに入る。マイケル・ジャクソン著の邦訳「地ビール世界」P93にも出てくるカフェである。ここを訪れるのは前年に続き2回目なので、店についての紹介は、前年の報告(第4回ベルギー王国ビール探訪記・6日目1)を参照して欲しい。

ドリンク・メニュー

食事のメニュー
 昼食は何にしましょうか?。実は、この店に来る以前に、前年の浜田さんの「わしゃ、ニシンが食べたかったんじゃ〜」事件が話題になっていて、ニシンが気になっていた。
 席につくと店の人が、本日のお薦めとしてなんと生のニシンを皿に乗せて持ってきた。みんな思い出し笑いをしながら、「じゃ、食べてみましょう。」ということで今回はちゃんと注文した。

「Haringen(にしん)」はいかが?

にしん

豚のロース肉

Konijn Met Geuze 495bf
ウサギのグーズ煮
 あとは豚とウサギで、食べたい方をそれぞれ注文した。 
  調理が出てくる間、ランビックビールで乾杯!
  最初に注文したのは、GIRARDIN GUEUZEジラルダン・グーズの樽生。これは、若いグーズである。酸味がおとなしくまだ、ランビックの風味を残している。すなわち、紅茶やバターような風味が残っているのである。GIRARDIN KRIEKジラルダン・クリーク樽生は、フレッシュである。どうも私はジラルダンのクリークはそんなに好きではない。南フランスの安ワインによくある風味をクリークに感じてしまうのである。熟しすぎたフルーツの腐敗した香りである。最後に頼んだものは、この店オリジナルのRARE VOS 樽生である。聞くとこれはジラルダンに特別に作ってもらっているグーズだという。泡立ちよく発泡感もある。酸味はあまりきつくなくちょっと甘味も感じてジラルダンのグーズらしくない。色も随分付いている。ファロかと思ってしまう。あまりに不思議でさらに問うと、樽の底に溜まったグーズを集めたものだという。レア物には違いない。
 ジラルダンの樽など見る機会はめったに無いので、樽生を注ぐところを見せていただいた。グーズとクリークの樽がサーバーに繋がれている。さらに在庫の数樽が並べられている。驚いたのは、プラスチックの樽。張られたシールはジラルダン。これが特製のグーズの正体であった。

GIRARDIN GUEUZE 樽生
(5%)
Br.Girardin

GIRARDIN KRIEK 樽生
(5%)
Br.Girardin

RARE VOS 樽生
※この店のオリジナル。

ジラルダンの樽

ジラルダン特製グーズ
Rare Vos
※プラスチックの容器入り
GIRARDIN KRIEK 樽生を注ぐ。
 食後、今回初参加の人もいるので、前年見せてもらった地下貯蔵庫をもう一度見せていただいた。そこはワインの紙箱ケースが雑然と置かれるだけで、前回あったランビック熟成用の木樽はなく、また、25年前のランビックで「これは売れません。」と言われたビールも、もう無かった。

【データ】 De Rare Vos
Marktplein 22, 1703 Schepdaal
Tel: +32 (0)25 69 20 86

 De Cam ドゥ・カム


フォルクスカフェ ドゥ・カム

ランビック・ブレンド場
DE Camの隣は交番。駐車場にはパトカーが停まっている。
 この日は、ランビック三昧。カンティヨン、ドゥ・トロック、ジラルダンを味わい、今度訪れた場所はドゥ・カムである。Gooikゴイックという小さな集落である。小さいからいろいろな施設が併設されている。ドゥ・カムのカフェの隣はこの集落の警察である。車で来て、カフェでビールをたらふく飲んだ酔っ払いを警察はどう扱うのであろうか。カフェの2階は楽器博物館になっている。
 ドゥ・カムは前年訪れて以来2回目。詳細は前回の報告を見て欲しいが、ブレンドするランビックのウォートは、Boonボーン、Lindemansリンデマンス、Girardinジラルダン、Drie Fonteinenドリー・フォンティネンの4つである。前回の報告でジラルダンを使用していないのが不思議と書いたが使用していた。
 今回、ウィレム・ヴァン・ヘレヴェッヘWillem Van Herreweghenさんとはアポを取っていないので、醸造所にはいなかった。ヘレヴェッヘさんは、常駐しているわけではなく醸造作業をするときだけ、ここにやってくるらしい。
De Camのメニュー
 メニューを見ると、ランビックビールは、ドゥ・カムとボーンの2銘柄置いてある。ボーンがあるのは、ボーンもドゥ・カムも同じパルムPalmの資本傘下にある同系列の醸造所であるからである。パルムの樽生もメニューに載っている。樽生やランビック以外にも29種類のビールがメニューが掲載されている。

Lambiek"DE CAM"樽生

Geuze "DE CAM "
(6.5% 37.5cl)
 Lambiek"DE CAM"樽生は、ランビックとは思えないグーズのような酸味があって、コクもある。バランスもとれていて非常に美味しい★★★★。これは、ハンドポンプのサーバーから注がれていた。
 グーズには樽生がない。Geuze "DE CAM "は小瓶の375mlのもの。それも小瓶2本しかなく、大瓶は売り切れという在庫管理の悪さ。向かい側に醸造倉庫がありいくらでもあるはずなのに、そこは、ヘレヴェッヘさんの管理なので、勝手に開けて取り出せないという。出てきた小瓶を見て驚いた。前年ラベルがなかったのに、今年は新しくラベルが作成されて瓶に巻きつけてある。泡立ちが非常によい。やっぱりグーズだけあって、酸味は酸味でもグレープフルーツのような柑橘系の酸味がして本当に美味しい★★★★。

ランビック樽生はハンドポンプで

この次、飲みたい!
 今回はヘレヴェッヘさんもいなかったので、ブレンド設備の見学はしなかった。全員美味しいレアなランビックを飲んで満足。次の目的地へ車で出発するが、警察のお咎めはなかった。
 ※なお、あとでわかったことであるが、ヘレヴェッヘさんは本業が忙しくなり、2000年5月からドリー・フォンティネンのアルマンさん門下の若いKarel Goddeauカレル・ゴドーさんがランビック・ブレンダーとして働いているという。であるので、このときの訪問時(2001.1)には、もうヘルヴェッヘさんはいなかったことになる。
【データ】 Geuzestekerij De Cam
Dorpsstraat 67a, 1755 Gooik
Tel : +32 (0) 476 81 68 06 Fax : +32 (0) 2 532 08 26

6日目(2) 6日目(4)

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