第2回ベルギー王国ビール探訪記(13)

ビール関連情報(2)

◆ラベルはがしの術 −ベルギービール編−

  ベルギービールのラベルには、楽しい図柄が多い。味わい同様、ラベルのデザインも個性豊かである。そして新しい銘柄がつ ぎつぎと発売され、デザインがよく変わる。面白いラベルなら瓶からはがして記念に取っておきたいものである。旅先でラベルをはが す最良の手段は、ワインラベル保存シートを用いることである。常に携帯してワインやビールのラベルはがしに使う。しかし1枚あたり 100円もするのが難点で、コストパフォーマンスが悪い。そこで代用するのが図書館等で利用されているブッカー(粘着透明フィルム )である。粘着力が今一つではあるが、これを適当な大きさに切って持ち歩けば、いつでもビールからラベルをはがすことができる。ただ、 ビニールは温度変化等で伸び縮みするのが欠点である。

  ラベルはがしの一般的な方法は、水に浸けることである。時間が経てばラベルは自然にはがれてくる。特にベルギービールの糊は水 に溶けやすいようで、お湯に浸ければたった1分ではがれるものもある。簡単にはがれるのなら、カフェではがしてもらうのが一番で、 ビールラベルをはがしてくれるようカフェの店員さんに頼んでみよう。ただレストランであれば気軽にワインラベルをはがしてもらえる が、カフェでビールラベルをはがすサービスは一般的でないので、応じてもらえないかもしれない。次の手段はちょっと重いが瓶ごと貰 ってきて自分ではがすことだが、持ち帰り用のビニール袋を用意しておく必要がある。また瓶を持ちかえる場合は、リサイクルの進んで いる国なので、瓶代を取られることが多いし、持ち帰りを断られる店もある。
    ☆ ☆ ☆
  ブリュッセルのスピネコプケは、持ち帰り不能の店であった。店で飲んだデ・ドレ醸造所のウール・ビールOERBIERはマンガチック な楽しいラベルなので、その場で透明シールを使ってはがそうとした。しかし、ボンドのようなもので頑丈に接着されているそのラベル は全くはがれようとしない。こういう時はラベルの端にナイフで削り取るように切れ込みを入れ、ラベルを浮き上がらせれば、たいてい シールをはがすとともに一緒にラベルの表面がはがれて来る。しかし、この時はそれでもはがれず、私はつい手元がすべって、使ってい たアーミーナイフで指を切ってしまった。相当な出血量で店の床にも血滴がポタポタ。もうラベルをはがす所の問題ではなくなり、あわ てて店を出て通りで止血していると家族連れの親切な地元の方が、私を救急病院まで車で連れていってくれた。病院では英語の出来る医 者が応対してくれ、いろいろ質問されたが、医学の専門用語の単語はさっぱり解らない。麻酔をするかどうか尋ねていたようだったが、よ く解らないので答えに躊躇していたら、「OK」といっていきなり麻酔なしで切り口を縫う手術が始まった。指に針が刺される瞬間より も、糸が皮膚の中を抜けていく時の方がよっぽど痛い。無事手術は終わり、抜糸は8日後にすること、また、世界のどの病院でも抜糸可 能な縫い方であると説明された。たまたまホテルに近い病院だったので、帰りは歩いてホテルまで戻った。ラベルはがしの極意は「決して無理をしないこと」と悟った私は、この事件以来、はがれないラベルは諦めることにした。

(奉行)


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