第2回ベルギー王国ビール探訪記(16)

ビール関連情報(5)

オリジナルグラスの変わり物

  ベルギービールはその銘柄のオリジナルグラスで味わうことが基本となっている。醸造所は、新しい銘柄のビールを醸造するとグラス工場へ行って、そのビールの香りや味わいを最大限に引き出す形状のグラスを選び出す。そして新銘柄のデザインをプリントしてオリジナルグラスとするのである。グラスの形状にはかなりのパターンがあるが、全銘柄のロゴ入りオリジナルグラスを用意出来ないカフェでは、同じ形状のグラスで代用してもよいことになっているようだ。

  しかし、他の銘柄のグラスでは代用できない変わった形状をしたグラスをオリジナルグラスとしている銘柄もある。有名なのはパウエルクワックPAUWELKWAKのグラスである。底が丸く、中ほどがくびれた独特の馬上杯と言われる形状のグラスで、テーブルに立たせるには特別な木枠のスタンドを取り付けなければならない。このグラスには大小のサイズがあるが、ゲントのビアカフェ、デデュレグリートでは、パウエルクワック樽生1リットルを大グラスで提供している。カウンターの横にはこのグラスが10本ほど飾られていたが、1本1本手吹きのガラスなのでその大きさは少しずつ異なっている。その大きさを見てさすがに飲み切る自信がなくなって、残念ながら今回は飲まずに終わった。後日、ビールショップでこのグラスを売っているのを見たが、割らずに日本に持ちかえることは難しそうだ。

  もう一つ変わったグラスは、修道院ビールでセントイーデスバルドST.IDESBALDという銘柄のグラスである。ゲントのビアカフェ、トロルケルダーでこのビールのトリペルTRIPLEとダブルDUBBELを注文した時、グラスはどうするのかと尋ねられた。オリジナルグラスがあたり前なのになぜそんなことを聞くのかと不思議に思って答えに躊躇していたら、返答を待たずにビールとグラスを持ってきた。グラスを見てビックリ!。出てきたのは駅弁のおぎのやの釜飯にそっくりな色と形状をした陶器の器だったのである。マスターはこのビールのオリジナルグラスがあまりにも変わっているので、普通のグラスにしようかと言っていたのだ。ちょっと厚手の茶碗は、修道僧が使用している托鉢の形状を模していると思われる。ビールを器に注ぐと非常に泡立ちがよい。日本人の感覚ではお茶の作法で飲みたくなる器で、つい器を回したくなってしまう変わったオリジナルグラスであった。

(奉行)


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